日記の端くれ

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BLAME! 感想

漫画の感想として最初の投稿は弐瓶勉の”BLAME!”です!

初めてBLAME!読んだ時の衝撃は今でも鮮明に覚えています。

マンガに疎かった私がマンガに興味を持ち手にしたのがBLAME!でした。

今まで自分が知っていたマンガとは全く違う見たことのない世界と静かにそして激しく進んで行く物語に深く引き込まれていきました。

 

物語はネットスフィア(世界の統合制御装置みたいなもの)の暴走で気の遠くなる長い時間無作為に建設され続けた都市の中で、主人公のキリイがネット端末遺伝子(ネットスフィアにアクセスできる能力)を探しす旅の道中から始まります。

旅の中でシボという仲間と出会い、珪素生物やセーフガードなどの敵を打ち倒しながらもネット端末遺伝子を探し続けていきます。

 

このマンガのすごいところは色々ありますが、特出しているのは物語に作者の作為が少ない事だと思います。(もちろん弐瓶先生はしっかり考えいるとは思いますが、、、)

主人公のキリイは病的なまでに一心にネット端末遺伝子を探し続けています。しかし、その行動に理念や理想は無くただ自分の天命を全うしているだけのうように感じます。そして、そのためにはどんな犠牲もまったく厭わずにただ前に進み続けます。

キリイと一緒に旅をしているシボはキリイとは違いある旅の目的の先に待っているものや考え、人には思いやりを持って旅をしています。物語としてシボの存在がキリイとうまくバランスされているように感じます。そのシボでさえ世界平和ではなく自分の好奇心のために旅をしています。

宿敵である珪素生物はキリイを付け狙っているわけでもなく、世界を乗っ取ろうとしているわけでもありません。彼らは自分達の繁栄のために活動しており、たまたまその活動の上でキリイが邪魔になったから排除しようと戦いを仕掛けてきます。(結果的に珪素生物の目標とキリイの目標は相対してはいます。)

最大にして最強の勢力であるセーフガードに至ってはプログラム通りにただネット端末遺伝子を持たない人間(珪素生物を含む)を駆除しているだけです。

 

無作為に無限に広がり続ける都市を舞台に旅の理由も理解せずひたすらどんな困難にも屈せず旅を続けるキリイ。そして、自分達の目的のためにキリイに襲いかかる敵達。

 

BLAME!を読んでいると人生の縮図みたいなものを感じてしまいます。

私は人生の目的なんてよく分からないが必死で生きています。多くの人がそうやって生きていると思います。そんな無数の人々の営みが絡み合いって、世界や人との出会いは誰の作為も無い偶然の重なりからなっています。

人生は辛くて険しい道のりです。何のために生きるのかそんなこともわからずただ生きるために頑張っています。人生の道中で出会う困難や人もただの偶然のであり、誰の作為も意味もありません。

BLAME!を読んでいると”人生、色々な困難に出くわしてもただ必死に歩いて行かなければならない”そんなことを考えてしまいます。

 

人生の縮図が非現実的にリアルに描かれているのがBLAME!という作品です。